所 感
人口が減っていく時代の流れの中で、その街の活性化や賑わいを創出していくためには、他市からの流入は不可欠だと考えます。しかしながら、何もない所へ行こうとする人はいないでしょう。近隣市がアウトレットや観光地、プロ野球球団を有していることを考慮すると狭山市においても独自の特色を活かした街づくりを展開する必要があるのではないかという観点のもとに福井県勝山市が推進している『わがまち魅力醸成事業』を研究対象とし行政視察を実施しました。
この事業は、勝山の遺産や魅力の再発見とその活用による街づくりを推進し、勝山の活性化を図っていこうとするものです。
勝山市では、‘ひとつの地域全体を博物館’として考えた『エコミュージアム推進計画』を推進しており、それらをさらに発展させたものが『わがまち魅力醸成事業』であるとのことでした。
計画や事業を実施するにあたり、勝山では風土と歴史が残した文化や自然を「遺産」と考え、それらを発掘するところから始めたとのことです。
発掘には地域の方々の協力なくしてはあり得ず、投資として地域団体に助成金を出し、地域の方々と発掘した『遺産』を‘創造→発展→醸成’させることで勝山の魅力を地元から再認識をして広く発信していこうとしていました。
職員の「魅力を発信しても、地域の人すら振り向かないようなら魅力なら誰も見ようとは思わないと思います。」という言葉が印象に残りました。
幅広い世代に大きく勝山の魅力を発信していくメッセンジャーとして『大使』の活用やWEB環境の充実など‘今時’の発想も取り入れており今後も多種多様なアイデアを取り入れていくとのことでした。
勝山は、自然が豊かで世界に誇る恐竜遺産があります。また、過去には繊維工業が盛んだったこともあり、工業の発展や歴史を知る上で貴重な文化財などもあります。これらを活用し、広く発信することで当地の活性化を図るうえで大いに期待が持てるのではないかと強く感じました。
狭山市にも、名産の狭山茶、豊富な農産物、川も森も公園もあります。狭山市でも過去に遡り、文化や歴史を再発掘し、同様の施策を展開することは意義があると考えます。 (文責 土方隆司)